コンクリート打ち放し模様仕上げについて

コンクリート打ち放し模様仕上げについて

コンクリート打ち放し模様仕上げについて (原田宗亮)

 

今回はコンクリート打ち放し模様仕上げについてです。

コンクリート打ち放しとは、皆様ご存知のように、
現場で打設したコンクリートの型枠をばらしたそのままの状態を仕上げとした技法で、
日本だと安藤忠雄さんがよく用いることで有名です。

ただ、本当に型枠をばらしたままのコンクリートの状態では、
外部においては雨等によるコンクリの中性化や劣化、汚れ、
内部においては粉ふきやカビによる汚れがつきやすく、
少なくともコンクリを保護するためのトップコートを塗ってあるものが一般的です。

ただ、型枠をばらす一発仕上げというのは、非常に難しいものであり、
どれだけうまくバイブレーターを掛けてコンクリートを行き渡らせて打設したとしても、
ジャンカ・ピンホール等が発生することがあります。
ジャンカが発生したからといって壊してコンクリを再度打設するわけにも行かない場合が多く、
そのため、ジャンカ部分のみコンクリートに似せて模様を付け、補修をするという技法が発達しました。

ジャンカ部分を埋め、再度表面をコンクリート風に模様や色をつけて周りと馴染むようにする。
鏝を使う作業があったため、左官の職人が手掛けることが多い技法でした。

補修した部分を言われても分からないほど、
きれいに周辺と同じような模様を付けることが出来ます。

補修前


補修後


現在では塗料を塗ることで、コンクリートの模様を付ける技法もありますが、
ペターッとした印象があり、個人的にはあまりお勧めしていません。

コンクリートも打設環境により、色が違うため、
模様あわせにも左官技術のような熟練の技が必要です。



本来、打設後のコンクリートを補修的に化粧をする技術でしたが、
現在は応用され、
石膏ボードの上やベニヤ下地などにコンクリ模様を再現することでも使用されています。


(ベニヤの上にコンクリ模様)

そのため、コンクリートの模様・質感は欲しいけれど、
打設するのが難しい内装の現場などに、
このコンクリート模様付けの技法が使用されるようになりました。

下地がコンクリートではないので、
本来のコンクリートでは出てくるベニヤジョイントやPコン跡を必ずしもつける必要はなく、
自由なコンクリート壁を作ることができます。


(通常の打ち放し模様)


(杉板使用のコンクリート風仕上げ)


(ベニヤジョイント無しのコンクリート模様)

コンクリートの色の濃淡を付ける事もでき、
写真のようにダークなコンクリート壁も再現することができます。



左官で行うコンクリート模様付け仕上げの良いところは、
厚みが感じられるものを作ることができる点にあります。

ピンホールをワザとつけた荒々しいコンクリートも左官の技術の応用で表現することが可能です。


(画像のものは経年使用感も表現しています)

最近では床のモルタルの上にこのコンクリート模様付けを施した現場もあります。
(床用には歩行に耐えうる特殊なトップコートを使用しています。)

色や模様はその都度調整が可能ですので、
多彩なコンクリートと再現することが出来ます。
コンクリート特有の美観や素材感を表現する技法として、
外装、内装にこの技法を用いてみてはいかがでしょうか?

コンクリート打ち放し風仕上げ 施工例などはこちら
Webカタログ:コンクリート打ち放し風仕上げ
https://www.haradasakan.co.jp/webcatalog/webcataharada/webcataconc/


最後までお読みいただきありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。

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