左官がつくるかまど
左官がつくるかまど
左官がつくるかまど (原田宗亮)
今回はかまどのお話。
大昔は料理などで煮炊きをする場合に、石を積んだ上に鍋などを置き、下から火で炊いていましたが、
裸火では熱効率が悪く、風などの影響も受けるため、火を囲って、
より高温で調理できる「かまど」が考え出されたと言われています。
かまど(漢字で竈と書きます。)は地域により愛称があり、
関西では「へっつい」京都では「くど」「おくどさん」と呼ばれています。
(かまどは主に台所にあり、女性が使用するものだったため、お台所というように女性の言葉で「おくどさん」と呼んでいたそうです。)
日本ではかまど作りは左官が行うことが多かったようです。
(かまど専門の職人さんもいたようですが)
落語にも「へっつい幽霊」という噺があり、
左官の長五郎が博打で儲けたお金をへっついの中に塗りこんで隠したというくだりが出てきます。
かまどは土や耐火煉瓦を積んで下地を作り、その上に仕上げの土を塗り、漆喰や大津磨きを施して仕上げます。
有名なところでは伊勢の赤福の赤いかまどがあります。
(一年に一回塗り替えています。)
伊勢赤福本店のかまど
それだけ生活に根付いていたかまどですが、
ガスコンロなどが普及していくにつれ、だんだんと家庭から姿を消していきました。
また、電気釜も出てきたことにより、
かまどでご飯を炊くということが無くなっていきました。
しかし、近年また、かまど炊きのご飯のおいしさが見直されています。
(かまど炊きの味を再現したと謳っている高級電気釜も出ているくらいです。)
はじめちょろちょろ中パッパ、赤子泣いてもフタ取るなという、
かまどで炊く火の燃え上がり方がお米本来のおいしさを引き出しています。
日本では姿を消したかまどですが、
アフリカ等かまどが今まで無かった地域に海外協力隊やテレビの企画で、
かまど作りを伝えるということが行われています。
(日本の左官の技術が役立っているようです。)
テレビ番組「THE☆仕事人バンク マチャアキJAPAN」
植田俊彦さんガーナでかまど作り
また、かまど炊きのご飯が見直されていることにより、忘れられていたかまど作りの技術も見直されています。
もちろん昔のもののように置き型のかまども作成できますが、
最近では仲間の左官の方が卓上の漆喰かまどを考案し、全国の左官同志で同じ形のものを作成・販売しています。
漆喰かまどの考案者 (有)勇建工業 かまど屋さんページ
http://www.youken.jp/kamadolist.html
この漆喰かまどは土と漆喰で作られています。20cm、30cmというミニサイズですが、
左官職人が一つ一つ手間をかけて丁寧に作成しています。
それは土壁や漆喰という左官技術をしっかり残していこうという思いがあり、全国で同じ形で作っています。
当社でもこの漆喰かまどのプロジェクトに参加しており、漆喰のかまどを製作しています。
また、漆喰のかまどだけでなく、版築工法のかまども考案しました。
版築の模様を活かしたかまどです。
この版築かまども左官の技術を世の中に再認識してもらいたいという思いを込めて考案しました。
今回、この版築かまどはサイバーエージェントのクラウドファウンディングサイト
Makuakeにて左官応援プロジェクトとしてページをアップしています。
「おいしいかまど炊きのご飯で、日本の左官という技術を見直してみませんか?」
をキーワードに、版築かまどをPRしています。
動画:原田左官オリジナルかまど 『版築竈』 アウトドア編
支援のコースのお礼として版築かまどをプレゼントするものの他、光る泥だんご、
光る泥だんごキャンドルスタンド、塗り壁体験参加券付きのものもあります。
是非一度、かまど炊きのおいしいご飯を体験していただきたいです。
版築かまどの販売についてはこちらから
原田左官 版築かまど ページ
https://www.haradasakan.co.jp/hantiku/
(版築かまど立ち上げプロジェクトについてはこちら)
左官の技術で作る!煙の出ない卓上かまど「版築竈」でおいしいご飯を食べてもらいたい ページ
https://www.makuake.com/project/hanchikukamado/
この卓上かまどを機に左官を見直していただければと思います。
よろしくお願いします。
参考文献
株式会社赤福本店ホームページ
有限会社勇建工業ホームページ かまど屋さん
富沢建材株式会社 石灰と土のソムリエ雑記
総合建築植田 フェイスブックページ
最後までお読みいただきありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。
お問合せ先
有限会社原田左官工業所
113-0022 東京都文京区千駄木4-21-1
電話番号:03-3821-4969 FAX番号03-3824-3533
左官のミライ通信「Sakan Concierge(左官案内人)」
発行元:有限会社原田左官工業所・株式会社エイチアール
発行責任者:有限会社原田左官工業所 原田宗亮
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メールアドレス:sakan@haradasakan.co.jp