モルタル造形 竹の表現
モルタル造形 竹の表現
コンクリートでできた建物が多い現代の左官ではセメントモルタルを扱うことが基本の仕事になっています。
今回はそのセメントモルタルをベースにしたモルタル造形で竹を表現した施工例のご紹介です。
モルタル造形とはセメントモルタルで形を作り、カラーリングなどにより造形物を作る技法です。
【モルタル造形の施工手順の一例】
この写真はレンガの上にモルタルを塗った壁が部分的に剥がれているヨーロッパでよくみられる古い壁を表現しています。
これはレンガの部分も含めてすべてモルタルで塗って仕上げています。
モルタル造形と言えばテーマパークの擬岩や擬石、擬木などが有名ですね。
【モルタル造形のテーマパークの擬岩・擬木の一例】
本物の岩や木ではダメなの?
セメントで作る理由は何故?
と聞かれることがあります。
何故わざわざセメントで作るかというと、その仕上がりを変化なく長持ちさせたいからです。
岩の洞窟を本物の岩石で作るとしたらものすごい重量になり、崩れないようにするための支えなども必要で大変な工事になります。
また、味のある古木などを使用したくても、特に外部では不燃材でなければならないなど
制限があり、また、木の経年変化によって傷みが生じたりする場合があるため、使用するのが慎重になります。
そのため、セメントモルタルで岩肌を作ったり、古木調に造形して作るという技法が必要とされます。
そのモルタル造形の中で、今回はセメントモルタルで竹を表現した技法についてお伝えします。
デザイナーの方から「竹を表現した壁を作りたい」というご要望を頂きました。
モデルになる画像がこちら。
これはモルタルで造形するのがマッチするのでは?
と考えていたところ、ちょうど当社の代表が行った台湾でモルタルで作った竹の壁がありました。
台湾の101タワーのスターバックスです。
味のある竹模様のモルタル仕上げ。
これをベースにもう少し肌を整えた竹模様のモルタル造形をする方向で考え、
サンプルを2種類作成しました。
竹の外側を見せるタイプ(外竹)。
こちらは竹の内側を見せるタイプ(内竹)。
デザイナーの方に選んでいただいた結果、内竹に決定しました。
今回、竹模様モルタルはこのような道具を使って作りました。
これは亜鉛板をスタイロフォームに張り付けたもの。
昔から左官で型を引くには滑りがよく、錆びにくい亜鉛板を使っていました。
その亜鉛板を使い、型を引くことで竹模様のモルタルを作ります。
完成がこちら。
店内入口へのR壁を竹模様モルタルで施工しました。
アップで見るとこのようになっています。
お店は日本橋高島屋のアジアンビストロDai。
アジアンテイストのお店に竹の模様がマッチしていますね。
セメントモルタルというと現代の左官には身近な材料です。
そのセメントモルタルも造形できるように素材をアレンジをすれば、このような仕上げをすることが出来ます。
身近な素材を人の手で形にしていく。
造形モルタルは左官で出来る表現方法の一つです。
新しいお店へのご提案の一つに是非いかがでしょう?
店舗情報:日本橋高島屋内 アジアンビストロDai日本橋店
最後までお読みいただきありがとうございました。
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