塗るテラゾ 張るテラゾ それぞれのメリット・デメリット
塗るテラゾ 張るテラゾ それぞれのメリット・デメリット
テラゾ仕上げ。
日本では主に床、時には壁を人造石で仕上げることを意味する言葉です。テラゾはイタリアなどヨーロッパの石文化が伝わり、ヨーロッパのようなカラフルな石の産出が少ない日本では人造石仕上げとして根付いたようです。
イタリア語のテラゾ=TERRAZOは床やテラスという意味。
TERRAZZOの床の意味が、床に人造石仕上げをしたものを示すようになり、現在の意味のテラゾに繋がったようです。
TERRAZZOの語源はTERRA(大地)から来ているのではないかと想像も膨らみます。
そんなテラゾ仕上げ、当社にも様々な問い合わせを頂いており、人気が復活してきています。
テラゾは元々石材や石板だったものを砕石にし、それをセメントなどをバインダーで固め再構築したもの。そのため、大きい骨材と小さい骨材がバランスよく密になっていることが本来のテラゾのカッコいい見せ方です。
寒水石や美濃黒、白鷹など日本の昔ながらの砕石を使って古いビルの床のようにレトロ調に仕上げることもできますし、イタリアやポルトガルなどからカラフルな砕石を輸入してヨーロッパの床のような表現をすることも出来ます。
日本の石を使ったレトロ調のテラゾ仕上げ
イタリア ゴンザーガのテラゾ仕上げ
今はガラスやリフレクターなどキラッと光る骨材もあります。
また、研磨機の性能が良くなったため、昔は固くて研磨できなかった玉石(川の砂利のような丸い石)でも仕上げられるようになり、今までになかった表現も出来るようになりました。
現在、テラゾ仕上げというと、大きく分けて2種類に分類されます。
・現場で塗って研磨し仕上げる「現場テラゾ」 左官的工法
・工場で作成したテラゾの平板を張る「製品のテラゾ」 石張り・タイル張りの工法
塗って仕上げるテラゾは鏝を使って塗るので実に左官的な工法です。
その場で練った材料を鏝で塗り、乾燥後、研磨をして仕上げます。
現場テラゾのメリットはこちら
・カスタムメイドしやすい
・複雑な形状でも繋ぎ目なく1つの仕上げが出来る
昔で言えば、古いビルやデパートの床や階段。学校の流しやコンクリート滑り台の滑る部分も現場テラゾです。
こういった複雑な形状が出来るのも左官工法ならではです。
昔の仕上げというイメージも強いですが、カスタムメイドがしやすいので、今はデザインの力を借りて新しい仕上げとしても復活しています。
このようにワンポイントの骨材なども入れることが出来ます。
塗って仕上げる分、施工できる範囲であればシームレスに仕上げられ、曲線も塗りこめることが出来ます。
こんな形状のベンチも繋ぎ目無くテラゾ仕上げにすることが出来ます。
店舗、オフィス、集合住宅等、
様々なところで塗る現場テラゾ仕上げを見るようになりました。
昔は普通セメントを使用したテラゾだったのでクラックが入らないようにガッチリと下地を作る必要がありましたが、今ではビールストーンなど、割れにくい塗るテラゾ仕上げも出てきて、非常に人気があります。
一方、工場で製作するテラゾ仕上げはこんなメリットがあります。
・工場製作なので品質が安定している
・大量生産、同じものを再度生産することが可能
・工場で仕上がったものを現場で張るので工期が短縮できる
そのため、公共の駅の通路など、大面積の床は工場生産のテラゾ板を現場で張ることが多かったです。
デメリットとしては工場生産なので300角、400角など大きさが限られるという点がありました。
しかし、今では工場で2m以上の長さの超大判のテラゾを作り、現場に張るという仕上げ方法もあります。
超大判のテラゾ板がこちら
(大判テラゾ)
3人で持ってもこのサイズ。高さは1.5m、長さは3m以上ありました。
特大サイズのテラゾを張った施工例はこちら。
カウンターの立ち上がり
天板も超大判のテラゾを張って仕上げています。
この大きな骨材と小さな骨材が混ざり合って詰まっている表情が美しく見えます。
今は工場でも長辺2500㎜サイズのテラゾまで作れるようになったそうです。
工場で製作したものを現場で貼れば工期は短縮できますね。
しかし、工場で製作するテラゾはデメリットもあります。
工場で作るテラゾのデメリットは
・ジョイントが出ること。
・曲線には向かない
・少量のカスタムメイドが難しい、またはコストがかかる
が挙げられます。
張るテラゾ=石張り工法 工期短縮、大面積施工
塗るテラゾ=左官工法 カスタムメイド、シームレス、床・立ち上がり施工可能
どちらもメリット・デメリットがあります。
どちらのメリットも活かして使っていきたいですね。
張るテラゾ板については国内、海外、様々なメーカーさんが今、新商品を発売していて、選べる範囲も広がっています。
塗るテラゾ仕上げ「ビールストーン」については当社のWEBカタログからご覧いただければと思います
WEBカタログ:ビールストーン
https://www.haradasakan.co.jp/webcatalog/webcatbealstone/
最後までお読みいただきありがとうございました。
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