一品物の仕事 特注「枯山水のような左官仕上げ」
一品物の仕事 特注「枯山水のような左官仕上げ」
現代左官の魅力はオリジナリティを出せるところです。
もちろん左官の魅力はそれだけではないのですが、手作業で作り上げる左官仕事は厚みを付けることができ、手仕事ならではの味わいのある仕上げが出来ます。
人がその場で塗って仕上げるので、現場でオリジナルなものを作ることが得意です。
オリジナル仕上げと言ってもハードルが高いものばかりではなく、既製品の左官材料に骨材をトッピングする、鏝の動かし方をちょっとだけ変えるような気軽にできるものもあり、左官で出来る可能性が広がっています。
しかしながら、腰を据えてガッツリと一からオリジナルで作るというのも左官仕上げの醍醐味ではあります。
今回はそんな特注左官の仕事についてお伝えします。
今回、施工させていただいたお仕事は富山のパン屋さんでの工事です。
デザイナーの方から、「枯山水のような壁を作りたい」というご要望を頂き、試作を経て完成に至りました。
まず、枯山水というとこんなイメージがあります。
当社でも過去、床面で枯山水模様を表現した左官仕上げを行ったことがあります。
これが壁となると格段に難しくなります。
壁面に立体的に枯山水の模様を付けるとなると、砂の模様の三角の部分が重力によりだれ下がってしまい模様が綺麗に出ない、厚みを付けるには数回に分けなければいけないなど、検討事項がたくさん出てきます。
それを検証、解決していくためにまずは試作をしました。
試作の様子がこちら。
一度に厚付けするのは重みが出て、時間もかかってしまうため、中に棒などを仕込んで厚みをふかしてモルタルを三角に塗り、下地を作ります。
直線はこれで作れそうです。
しかし、枯山水は曲線。丸い模様です。
どのように作ろうかと考えていたところ、当社の仕上げ部長 中島さんが閃きました。
円模様であれば、コンパスの要領で型を引けば作れる!
そのアイデアを元にスタイロフォームで試作。
このように一点を止めれば円を描きながらギザギザ模様を作ることが出来ます。
その道具で下塗りをしたものがこちら。
枯山水の砂のザラつき感を表した仕上げがこちら。
中々良い感じに仕上がりました。
いよいよ施工です。
施工の様子はタイムラプス動画でご覧ください。
動画:枯山水のオリジナル模様モルタル壁|特注左官仕上げが出来るまで【有限会社原田左官工業所】
中央の円の上側は石を張り付けるためラインを抜いています。
デザイナーの方から、バランスを見て追加でラインを入れる部分を画像に書き込んでもらいました。
完成がこちらです。
このように壁に枯山水模様が仕上がりました。
このパン屋さんは富山の新出製パン所というお店です。
オープンしてから繁盛されているようで、携わった弊社としてもうれしいです。
是非、お近くの方は一度、お寄りください。
左官はこのように手仕事のため、特注仕上げが得意です。
あなたの思い描いているものがCGではなく形にできるかもしれませんよ。
オリジナリティが出しやすい左官仕上げ。
あなたのアイデアを是非一度、当社へお話いただければと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
お問合せ先
有限会社原田左官工業所
113-0022 東京都文京区千駄木4-21-1
電話番号:03-3821-4969 FAX番号03-3824-3533
左官のミライ通信「Sakan Concierge(左官案内人)」
発行元:有限会社原田左官工業所・株式会社エイチアール
発行責任者:有限会社原田左官工業所 原田宗亮
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