杉板型枠コンクリートの代わりに!手軽に木目調モルタル仕上げ「うづくり木目モルタル」
杉板型枠コンクリートの代わりに!手軽に木目調モルタル仕上げ「うづくり木目モルタル」
原田左官オリジナル仕上げ「うづくり木目モルタル」。
セメントの質感を持った木目調仕上げが出来る人気の仕上げです。
木を磨いて木目を浮き上がらせた状態のことを「うづくり(浮造り)」と言います。
モルタルにうづくりの木目を転写させるので「うづくり木目モルタル」という名称にしています。
※現在、原材料が入手困難なためお取り扱いできない商品になっています。
【開発経緯】
この仕上げを開発するようになった経緯は杉板型枠を使用したコンクリート打ち放しのような壁を作れないかと言われたことが発端です。
仕上げる条件としては石膏ボード下地で、比較的短工期で仕上がるものというのが条件です。
弊社の場合、ほとんどが内装の石膏ボード下地で、その上に施工できるものというのがポイントになります。
また、本物の杉板型枠のコンクリートは型枠作成、コンクリート打設、脱型など時間がかかるので、それを比較的短工期で出来るものがないかということでした。
【杉板型枠コンクリートについて】
そもそも本物の杉板型枠のコンクリート打ち放し、コンクリートの肌に木目がバシッと出ていてかっこいいのですが、非常に難易度が高い工事です。
コンクリート型枠を作るときに木材を実(さね)加工するので本実(ほんざね)コンクリートともいわれます。
この杉板型枠のコンクリートは、型枠の作り方、精度が必要になりますし、コンクリートを打設して型枠を外してみないとどのように仕上がっているかがわからないという難しい点もあります。
また、きれいなコンクリート打設を心がけていても、どうしてもコンクリートの打ち継ぎが発生してしまう場合もあります。
コンクリートの打ち継ぎ(コールドジョイント)が発生してしまった場合、木目が通っているように化粧補修をしなければいけないので、補修技術も高いレベルが要求され、直せる業者さんも限られています。
そういった点もこの杉板型枠コンクリートを難しくしている原因の一つです。
【弊社のうづくり木目モルタルの工法】
その難しい杉板型枠コンクリートを左官工法のモルタル塗りによって表現しているのが当社の「うづくり木目モルタル」仕上げです。
弊社の工法は、型枠によるコンクリート打設だと時間がかかるため、左官工法でモルタルを塗り、その面に杉板を押し当てることで板の模様を転写させるという仕上げ方法にしました。
施工中の画像がこちらです。
仕上げ面全面に板を張っていき、それを剥がして木目を出していきます。
この後、隙間に出たバリを取り、調整して仕上がりです。
このような施工方法のため、壁面に何か下地があれば、モルタルを塗り、板をスタンプし、木目のモルタルを作ることが出来ます。
モルタルは板目模様が出やすい専用のセメント材オリジナル配合して使用しています。
【パターンと基本色】
選び方は3種類の板幅と3色の標準色を組み合わせて決定するとオーソドックスなうづくり木目モルタルの仕上げになります。
板幅は90mm、150mm、両方のミックスの3種類、
色はライトグレー、グレー、ダークグレーの3色になります。
【うづくり木目モルタル施工例】
施工例はこちら。
(うづくり木目モルタル:マンションエントランス 原田左官施工)
一番オーソドックスな板幅90㎜、横張り、ライトグレー色です。
こちらも同じ板幅90mm、ライトグレー色です。
(原田左官うづくり木目モルタル:板幅90mm、ライトグレー)
こちらもそうです。
こちらは住宅内部の壁面に仕上げています。
こちらは150㎜幅の施工例。
(原田左官うづくり木目モルタル:板幅150mm、ライトグレー)
こちらは乾燥前の写真ですが、150㎜幅でダークグレーの仕上げです。
(原田左官うづくり木目モルタル:板幅150mm、ダークグレー)
板の幅をミックスしたものがこちらです。
(原田左官うづくり木目モルタル:板幅ミックス、ダークグレー)
板の張り方は横張りだけでなく、縦に張ることもできます。
こちらは丸柱に縦張りをした例。
(原田左官うづくり木目モルタル:板幅90mm縦張り、ライトグレー)
こちらも丸柱に縦張りで施工。アパレルショップです。
(原田左官うづくり木目モルタル:板幅90mm縦張り、グレー)
こちらは縦で芋張り(通し目地)で施工した例です。
(原田左官うづくり木目モルタル:板幅90mm縦の芋張り、グレー)
うづくり模様のモルタル仕上げと言ってもこれだけバリエーションがあります。
また、特注にはなりますが、色を変えることもできます。
特注色の白での施工は人気があります。
オフィスでの施工例。
(原田左官うづくり木目モルタル:板幅90mm、特注色白 オフィス施工例)
こちらはショップでの施工例。
(原田左官うづくり木目モルタル:板幅90mm、特注色白 ショップ施工例)
【うづくり木目モルタルの注意】
このように様々な施工例があるうづくり木目モルタルですが、注意点があります。
それは表面に巣穴がある程度の頻度、発生するということです。
例としてはこちらの写真をご覧ください。
分かりやすいように少し画像を誇張しています。
モルタルに板を押し当てて木目を転写させるという工程のため、若干のエアーが入り、板を剥がした後にある程度の数、巣穴が出てしまいます。
これはこの仕上げの性質上、発生するものとご理解いただきたいものです。
この巣穴の肌も含めてこの仕上げの風合いとご理解いただければと思います。
これ以外にも板と板のジョイントの段差、色調のブレなども発生します。
「それが自然な風合いでよい」とご理解いただける方もいらっしゃいますが、ご使用前にある程度ムラ感が出る仕上げだということをご理解いただいてご採用いただければと思っております。
【最後に】
弊社でも今後、巣穴や色調のブレをある程度コントロールできるよう材料を改良していきます。
自然な風合いで綺麗な木目を出していけるよう工夫を重ねていきます。
うづくり木目モルタルはコンパネが無かった頃のコンクリート型枠での表情とも言われます。
現場を解体中に現れた昔の柱や梁の面のような、どこか昔のコンクリート面を見せたような印象にもなります。
そんなレトロ感もあるこの「うづくり木目モルタル」。
セメントですが、温かみのある表情を是非、様々な空間で活用していただければと思います。
WEBカタログ:うづくり木目モルタル
https://www.haradasakan.co.jp/webcatalog/webcataharada/webcataudukuri/
最後までお読みいただきありがとうございます。
有限会社原田左官工業所代表の原田。
二級施工管理技士/左官基幹技能者/タイル検定二級。
(一社)日本左官業組合連合会監事及び青年部の副部長。
左官の講習会やワークショップを企画・開催し、左官の啓蒙活動を行っている。
建設業界のダイバーシティを推進し、女性の左官業界への参加の手助けや新しい人材の採用育成に力を入れている。
著書に「新たなプロの育て方」㈱クロスメディアマーケティング
「世界で一番やさしい左官」㈱エクスナレッジ
お問合せ先
有限会社原田左官工業所
113-0022 東京都文京区千駄木4-21-1
電話番号:03-3821-4969 FAX番号03-3824-3533
左官のミライ通信「Sakan Concierge(左官案内人)」
発行元:有限会社原田左官工業所・株式会社エイチアール
発行責任者:有限会社原田左官工業所 原田宗亮
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