原田左官ブログ

左官職人に向いている人ってどんな人?

左官職人に向いている人ってどんな人?

投稿日:2022年09月02日 (金)

  1. 1左官職人に向いている人の特徴
    1.  1-1性格
    2.  1-2生活スタイル

  2. 2左官職人で働くやりがい
    1.  2-1技術を極める
    2.  2-2作品を作り上げる
    3.  2-3チームで達成する

  3. 3左官職人にとって大変なこと
    1.  3-1夏は暑い、冬は寒い
    2.  3-2肩やひじ
    3.  3-3技術力を磨くこと

  4. 4企業に所属して働くのが向いている人と一人親方として独立が向いている人
    1.  4-1企業に所属して働くメリット
    2.  4-2一人親方として働くメリット
    3.  4-3それぞれに向いている人

  5. まとめ

左官職人に向いている人ってどんな人?

鏝で壁を塗っている左官職人さん

建設作業や土木工事などの現場において不可欠な左官職人。
コンクリートやセメントモルタルなどを均一に塗る作業風景を見るとササッと行っていて一見すると簡単そうに見えますが、高度な技術力が要求されます。
左官職人になるためには特定の資格や免許は必要ありませんが、どのような人が向いているのでしょうか。

今回は左官職人に向いている人の特徴ややりがいなどを中心に解説します。

左官職人に向いている人の特徴

壁塗りトレーニング

はじめに、左官職人として活躍していける人にはどのような特徴があるのでしょうか。
向いている人の性格や生活スタイルなどを中心に詳しく解説しましょう。

性格

左官職人の仕事を見ていると、いとも簡単にモルタルや漆喰を平らにしているように見えます。
しかし、厚みが付くものを鏝で平らに滑らかにしていくというのは熟練の技が求められ、一人前の左官職人になるためには一定の訓練や経験を要します。

また、実際の現場では集中力を維持しながら単純作業を繰り返す必要があるため、体力だけでなく忍耐力も要求されます。
地道な作業であっても、根気強く作業に集中できる性格の人は左官職人に向いています。

生活スタイル

左官は建築現場で行う作業。そのため、現場が自分の職場になります。

左官作業の現場は、ほとんどが朝に出勤して夕方には終業するという生活リズムになります。
ただし、自宅から近い現場ばかりとは限らず、往復1時間、2時間以上をかけて通勤しなければならない現場もあります。

また、駅ビルや商業施設など現場によっては終電後やお店が営業終了後の夜間に作業をして下さいという依頼もあります。
基本的には朝型の生活スタイルになりますが、現場によっては夜間作業も発生します。
現場に合わせた働き方をするというのが生活スタイルになります。

左官職人として働くやりがい

壁塗りトレーニングが終わりピースサインをする左官職人さん

左官職人に求められる適性は上記で紹介した通りですが、実際に現場で活躍している左官職人は、どのようなやりがいを感じているものなのでしょうか。

もちろん、人によっても左官職人として働く魅力や醍醐味は異なりますが、今回はその中でも特に代表的な3つのポイントを紹介します。

技術を極める

さまざまな現場を経験しながらスキルを身につけることで、左官職人としての腕は着実に上がっていきます。
スキルが身につけば多くの現場で重宝されるようになり、自信にもつながります。

自分自身の努力が自分の技術力の向上という結果に跳ね返ってくるので、左官職人の仕事は達成感を持ちやすい仕事、大きなやりがいを見いだせる仕事です。

作品を作り上げる

左官職人が活躍する現場はさまざまで、一般住宅やアパート、マンション、ビルなどの建物以外にも、歴史的価値のある施設やテーマパークなど多岐にわたります。

優れた技術をもった左官職人は、これらの現場で重宝され、美術的・工芸的価値のある作品として多くの人の目に触れられることもあります。

建物のような実用的な用途のものだけでなく、芸術作品に近い目で見られるのは左官職人として大きなやりがいを感じられるのではないでしょうか。

チームで達成する

建設作業や土木工事などの作業現場では、さまざまな役割をもった複数の作業員および職人が協力して仕事を進めていきます。

立場や役割は違っても、同じゴールに向かって一つのチームとして仕事を進めていくことに充実感を感じる方も多いでしょう。

建設工事は超巨大なモノづくりです。
何も無かった空間に自分が関わり、チームとして一つのものを作り上げていく、完成した時は建設工事ならではの達成感があります。

また、さまざまな立場のメンバーから信頼されることは、ひとりの職人として仕事に対するやりがいを感じられるものです。

左官職人にとって大変なこと

砂袋を肩に担ぐ左官職人さん

左官職人として働くことは、上記でも紹介したとおりさまざまなやりがいを感じられるものです。
しかし、これらのような良い面ばかりとは限らず、左官職人ならではの苦労や大変なこともあります。

具体的にどのような点で苦労をすることが多いのか、今回は代表的な3つのポイントをもとに紹介します。

夏は暑い、冬は寒い

左官職人が活躍する現場は、基本的に屋外か空調設備の整っていない屋内というケースが大半です。
そのため、夏は猛暑の中、作業をしなければならないこともあります。冬の時期になると寒さとの闘いでもあります。

現在は空調服や現場の休憩場所などがあり、働きやすくなりつつありますが、現場作業である以上、暑さ、寒さはどうしても避けられません。

気候や気温など周囲の環境によっても体力が消耗しやすく、身体にも大きな負担がかかります。
病気や怪我などによって休んでしまうと、現場の作業スケジュールも狂いが生じるケースがあることから、過酷な環境下で作業を進めつつも、体調を崩さないよう万全の管理が求められます。

腰やひじへの負担

左官職人は鏝を使いながらセメントやコンクリート、漆喰などを均等に仕上げていきます。
地道な作業であり、長時間にわたって同じような姿勢を維持しなければならないことから、特に腰やひじへの負担がかかりやすくなります。

熟練の左官職人になると短時間でスピーディーに仕上げるだけの技術があり、身体に負担のかからないような塗り方を習得できている方も多いですが、駆け出しの職人のなかには余計な力が入ったり、必要以上に時間がかかったりして腰やひじを痛めることがあります。

技術力を磨くこと

左官職人として就職できたからといって、決してそれがゴールではなく、一生安泰で仕事を続けられるとも限りません。

仕事を通して技術力を磨いていく姿勢は何よりも重要であり、この姿勢がなければ作業の質は低下しクライアントからの信頼低下やクレームにつながる可能性もあります。

つねに謙虚な姿勢を心がけ、ほかの左官職人の作業も参考にしながら技術力を磨いていくことを求められます。

企業に所属して働くのが向いている人・一人親方として独立が向いている人

室内壁を鏝で塗っている二人の左官職人さん

一口に左官職人といっても、技術力を磨くことでさまざまな働き方ができるようになります。

代表的な働き方としては、主に企業に所属して働く職人と、一人親方として独立する職人とに分かれます。
それぞれの働き方にはどのようなメリットがあるのか、どのような職人が向いているのかもあわせて紹介しましょう。

企業に所属して働くメリット

工務店や建設会社などの企業に左官職人として所属する働き方は、なんといっても安定的な収入と、社会保険をはじめとした福利厚生が得られる点が挙げられるでしょう。

駆け出しの左官職人であっても、毎月一定の収入を得ながら着実にスキルアップを図れるのは会社員としての最大のメリットといえます。

また、工務店や建設会社にはベテランの左官職人が在籍していることも多く、そのような先輩職人からのアドバイスを受けられます。

チームで先輩に教わりながら技能習得ができるのも会社員としてのメリットと言えます。
自分一人では携われないような難しい仕事、大きな仕事も企業に所属していればそこに携わることもできます。

さらに、もし左官職人以外の仕事、工事管理や営業職に興味をもつようになったとき、部署移動もできる可能性があります。さまざまな業務を経験できるのも会社員としての特権といえるでしょう。

一人親方として働くメリット

一人親方とは、企業に所属せず個人事業主として働く方法です。

上司や先輩社員、そして後輩などの人間関係に悩む必要がなく、自由に働けるのが一人親方のメリットといえます。

また、たとえば「この案件が終わったらしばらく仕事をせず休もう」といったように、仕事量を調整できるのも一人親方の特権といえるでしょう。

企業の看板に頼ることなく、自分自身の腕一本で活躍していけるため、大きなやりがいを見いだすこともできます。

それぞれに向いている人

企業に所属したほうが良い左官職人としては、学校を卒業したばかりの若手や、未経験から一人前の左官職人になりたいと考えている方がおすすめです。
一人親方で働いていたけれども安定した収入が欲しい人、会社員としての安心感を持ちながら技能習得を行いたい人なども企業に所属することをお勧めします。

生活基盤を安定させながらも左官職人に求められる技術力やノウハウを学ぶことができます。

技術を身につけ、自分自身の実力を試してみたいという人は一人親方として働くことが向いています。
一人親方は自分自身が会社です。
自由に働くことができますが、成果も責任も全て引き受ける必要があります。

仕事がない時は自分で仕事を獲得する必要があります。
技術力だけでなく、営業力、仲間のネットワーク作りなど様々な能力が試されます。
社員、一人親方、それぞれのメリットデメリットをよく考えて自分に向いている働き方を考える必要があります。

まとめ

左官職人の仕事は地味で簡単そうに見えますが、実際には熟練の技術力が求められることから、忍耐力や体力がある方に向いています。

また、手に職をつけたい、自ら作り上げるという達成感を得たいという方にはおすすめの仕事といえるでしょう。

これから左官職人を目指している方は、つねに技術力を磨き続けていく姿勢も大切にしながら、自分自身にどのような働き方がマッチするのかを考えてみましょう。


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この記事を書いた人
原田宗亮

有限会社原田左官工業所代表の原田。
二級施工管理技士/左官基幹技能者/タイル検定二級。
(一社)日本左官業組合連合会監事及び青年部の副部長。
左官の講習会やワークショップを企画・開催し、左官の啓蒙活動を行っている。
建設業界のダイバーシティを推進し、女性の左官業界への参加の手助けや新しい人材の採用育成に力を入れている。
著書に「新たなプロの育て方」㈱クロスメディアマーケティング
「世界で一番やさしい左官」㈱エクスナレッジ

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