金属メッシュとの組み合わせ
金属メッシュとの組み合わせ
今回は左官と金属メッシュとの組み合わせについてです。
左官仕上げは現場で人の手で仕上げるものなので、非常に自由度が高い!
オリジナリティあふれる左官独自の仕上げは沢山ありますが、
珍しい仕上げ「左官と金属メッシュの組み合わせ」についてお伝えします。
今回はその中でもメッシュ状になった金属シートや金網を使用し、左官に一体化させて仕上げる工法。
左官仕上げの中にシート状のものを埋め込んで表面に出して仕上げる方法はいくつかありますが、当社ではこのような2つの工法を行っています。
・塗りこんで左官材を研磨して表面を出す工法
・塗りこんで左官材をかき落として表面を出す工法
それぞれの方法の特徴をお伝えします。
まず、塗りこんで左官材を研磨して表面に出す方法。
セメント系など硬化後機械で研磨することが出来る材料を使用し、金属メッシュを塗りこみます。
例として、セメント系である当社のオリジナル仕上げ「ポリーブル」の中に金属メッシュを塗りこんだ状態
(ポリーブル 金属メッシュ入り)
セメントの硬化後、研磨をし、塗り込まれたメッシュを表面に出します。
(ポリーブル 金属メッシュ 研磨)
(ポリーブル 金属メッシュ 研磨)
仕上がりはこのような状態になります。
(ポリーブル 金属メッシュ仕上げ)
厚みがあるような見た目ですが、触るとツルツルです。
研磨することによって金属メッシュと左官仕上げの高さが同じになり、ツルツルに仕上げることが出来ます。
この工法は難しい点もあり、シートが埋まり方が少しでも差があると研磨をしたときにメッシュが綺麗に出なくなってしまいます。
この写真はメッシュが均一に出なかった例です。
(ポリーブル 金属メッシュ入り仕上げ)
真ん中から上の部分と下の部分ではメッシュの出方が違います。
金属メッシュが、梱包の状態でロール状で配送されるものだとクセを完全に直すのが難しく、きれいに出ない状態になってしまいます。
そこで考えたのが、もう一つの塗りこんで左官材をかき落として表面を出す工法です。
セメント系(または石灰系)の材料を用い、「かき落とし仕上げ」にすることで中に埋め込まれた金属メッシュを表面に出す方法です。
かき落として仕上げをするため、t10mm以上の塗り厚が必要です。
そのため、金属メッシュも薄いものではなく、厚みが必要になります。
現場で施工した例がこちらです。
(金属メッシュ かき落とし仕上げ)
(金属メッシュ かき落とし仕上げ)
(金属メッシュ かき落とし仕上げ)
(金属メッシュ かき落とし仕上げ)
ベージュ系のかき落とし仕上げと金属メッシュの調和がとれていて、非常に美しい仕上げになりました。
(金属メッシュ かき落とし仕上げ)
ご紹介したお店は恵比寿にある「Nouvelle Ethnique ATHA」というお店です。
食べログ「Nouvelle Ethnique ATHA」ページはこちら
https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130302/13212199/
アジアンエスニック料理のお店です。
この金属メッシュ仕上げのほかにグラデーション磨き仕上げも行っています。
このように「左官+金属メッシュ」仕上げは研磨やかき落としなど、何かひと手間加えることで、とても美しい仕上げになる可能性を秘めています。
金属メッシュに限らず、身近にあるものでは左官と組み合わせることで新しい意匠を作ることが出来ます。
「左官+α」で左官仕上げの新しい可能性を探ってみてはいかがですか?
左官の世界は間口は広いですが、奥も深いですよ。
最後までお読みいただきありがとうございました。
お問合せ先
有限会社原田左官工業所
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左官のミライ通信「Sakan Concierge(左官案内人)」
発行元:有限会社原田左官工業所・株式会社エイチアール
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