壁面で大きい石の洗い出しが可能!画期的な材料 洗い出しネット
壁面で大きい石の洗い出しが可能!画期的な材料 洗い出しネット
今回は壁面で大きい石の洗い出しが出来る画期的な材料のご紹介です。
そもそも洗い出し仕上げとはモルタルに種石を練り込んで塗り付け、硬化のタイミングを見て表面を洗い出して中の種石を表した左官仕上げのことです。
昔から行われている左官仕上げの一種で、御影石に似せた洗い出し仕上げなど、現場で作る石調の仕上げであり、人造石洗い出し仕上げとも言われています。
洗い出し仕上げは種石とモルタル色を様々に組み合わせることでバリエーションが豊富な仕上げです。
混入する種石を選べば、素朴な質感からポップな印象の仕上げまで幅広く表現することができます。
参考HP:日左連 人造石洗い出し仕上げのテクスチュア
http://www.nissaren.or.jp/464
また、天然の石をセメントなど無機系の固化材で塗り固めて作るため、丈夫で、美観も長持ちします。
それが洗い出し仕上げの魅力です。
しかし、洗い出し仕上げには一つ弱点もありました。
それは壁施工では混入する石の大きさが限られているということです。
サイズで言うと2分(6-7mm程度)の大きさが限界。
その理由は、それ以上大きい種石では塗りつけることが出来ないからです。
洗い出し仕上げは種石を混入したモルタルを鏝で塗りつけて施工します。
床の場合は重力を考える必要がありませんので、どんなサイズの石も塗りつけたり埋め込んだりすることで洗い出し仕上げを行うことが出来ます。
しかし、壁面は鏝で塗りつけるため、一度に鏝で塗れる厚みに限界があり、石の大きさが制限されていました。
そのため、壁面の場合は細かい石の洗い出し仕上げになっていました。
(どうしても大きい石を入れる場合は塗り付け後、石を埋め込むなどの方法を取っていました。)
それが今回ご紹介する洗い出しネットを使用すれば、見事に解決されます!
洗い出しネットは種石がガラスネットに張り付いている商品です。(洗い出しシートとも呼ばれています。)これをモルタル等で貼り付けて施工します。そのため、大きい石での洗い出し仕上げが出来ます。
ガラスネットに張り付けられる石の大きさにも限界はありますが、現在では3分(10mm程度)のサイズの洗い出しネットが作成されています。
当社での施工事例をご紹介します。
当社の3F打ち合わせ室をテストケースとして施工しました。
施工する面はこのような漆喰仕上げ。
当社で撮影があり、ブルーに塗り替えましたが、その面に施工します。
今回は実験として下から積み上げ張りをしました。
施工したのはベテランのOさんと見習いTさん。
このように貼り付けていきます。
動画:大きな種石が壁面でも使用可能に!洗い出しネット 貼り付けの模様【有限会社原田左官工業所】
タイルを張る感覚と一緒ですね。
この洗い出しネットのポイントはここ。
ネットの端部が波模様になっています。
そのため、張り付けたジョイントが目立ちません!
遠目で見て少し気になるところはバラの種石を埋め込みバランスを調整していきます。
これで貼り付けは完成!
アップで見るとこんな感じです。
目地を詰めずにこのまま仕上げとすることもできます。
その場合は、もう少し貼り付け材を厚く塗ります。
そして目地詰め。
動画:大きな種石が壁面でも使用可能に!洗い出しネット 目地詰めの模様【有限会社原田左官工業所】
タイル目地の感覚でふき取っていきます。
これで完成!
壁面で大きな石の洗い出し仕上げは迫力がありますね。
今まで見たことが無いような仕上げになりました。
当社の3Fに施工してありますので、是非一度、壁面の迫力がある洗い出し仕上げをご覧ください。
2018年に台湾での施工現場を見学しましたが、なんと天井面にも施工をしていました。
まだまだ使い方に可能性のある材料です。
当社で製作したサンプルの一例です。
三采石仕上げ 白目地
三采石仕上げ セメント目地
目地部分を変えるだけでも結構印象が変わりますね。
種石は天然のものなので、石にトップコートを塗ると石が濡れ色になった状態がキープされ、また違った印象になります。
(台湾洗い出しシート 目地無し トップコートの有る無し比較)
大きい石の洗い出し仕上げを外壁に施す。
壁・床と同じ材料で包むなど
今までにない意匠を作ることが出来る洗い出しネット。
是非、新しい左官仕上げの一つとして知っていただければと思います。
この材料の可能性は凄くありますよ。
最後までお読みいただきありがとうございました。
お問合せ先
有限会社原田左官工業所
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