ビールストーン 壁面使用の魅力と注意点
ビールストーン 壁面使用の魅力と注意点
モールテックスで有名なベルギーBEAL社の研ぎ出し専用材料ビールストーン(BEAL STONE)。
強靭で割れにくく研ぎ出し・テラゾの肌を表現できる材料として今、注目されています。
従来の研ぎ出し・テラゾ仕上げの弱点と言えば、普通セメントの仕上げるため、どうしてもクラックの発生を防げなかった点があります。
それがビールストーンを使えば、ほぼクラックの発生が防げ、表面強度も上がり、研ぎ出し・テラゾの肌を長持ちさせることが出来ます。
今回ご紹介するのはそんな魅力的な材料「ビールストーン(BEAL STONE)」の壁面使用についてです。
通常、テラゾというと床仕上げを指します。
そもそもイタリア語でle terrazzoはテラスという意味。
そのように床面を表す言葉でした。
(イタリアのエレベーターボタン)
イタリアのエレベータで屋上は「terazzo」と書いてあります。
床に石を貼る代わりに砕石とセメントを混入し研ぎ出す仕上げ方法が考案され、それが恐らくテラゾ=床の擬石仕上げという風になったのではないかと考えられます。
日本ではテラゾと研ぎ出し仕上げは区別をされています。
テラゾでは大きい骨材(おおよそ15㎜以上)をセメントに混入し塗り付けるため、床施工にならざるを得ず、壁面に施工する場合は平板で作成したものを張り付けていました。
一方、研ぎ出し仕上げは12㎜以下程度の骨材を使用するため、壁面での施工も可能で、昔はよく手洗い場や階段に手すりに用いられることが多かったです。
一部腰壁などで使用されることもありましたが、壁一面を研ぎ出し仕上げにするようなことはほとんど見られませんでした。それはおそらくクラックの発生などがあるため、壁面施工の場合は平板を貼るような、目地ありの擬石仕上げにしたのではないかと考えられます。
また、セメントによる研ぎ出し仕上げは使用しているとセメントの部分が摩耗し、表情が変わってきてしまうということもありました。
■ビールストーン壁面使用の魅力
ビールストーンは研ぎ出し・テラゾ専用の特殊セメント。
少しの動きには追従できる耐クラック性、抜群の表面強度と今までのセメントにはない性能があります。
ビールストーンの表面の強さは床施工の時にも非常に実力を発揮します。
(ビールストーン 床面への施工)
ビールストーンの耐クラック性を活かしてカウンターや什器に塗り込む施工例も多いです。
(カウンター ビールストーン施工例)
(カウンター ビールストーン施工例)
立ち上がりも塗りこむことでまるで石の塊のように見せることが出来ます。
(ビールストーン 什器塗り込み仕上げ)
耐クラック性というビールストーンの特性を活かし、壁面に施工する例もあります。
(ビールストーン 壁面の施工例)
2.4m×3m程度の壁ですが、目地無しでもクラックがほぼほぼ発生をしません。
(ビールストーン 壁面の施工例 ガラス骨材レモンイエロー)
ビールストーンを使えば、このように大壁の一枚壁で研ぎ出し仕上げを行うことが出来ます。
これが他の研ぎ出し仕上げでは出来ないビールストーンの魅力です。
そんな魅力の高いビールストーンの壁面使用ですが、注意点もあります。
■ビールストーン壁面使用の注意点
・施工の難易度が高い
ビールストーンの壁面の施工は難易度が高いため、ビールストーンの施工に慣れている工事店での施工をお勧めします。壁面が大きい場合、一度に塗りつけることが出来ずにある程度で区切って施工する場合もあります。
・骨材の大きさに限界がある
壁面に塗りつけて施工するため、骨材の大きさに限度があります。
骨材の大きさの目安は1分5厘(7-8mm)程度のものまでが可能ですが、壁面の大きさや現場の状況により変わりますので、詳しくは施工する工事店とご相談ください。
■ビールストーンの壁に大きなガラス骨材を使用した例
先ほどの壁面の施工例は特注仕様で、かなり大きいガラスを混入しています。
(ビールストーン 壁面 ガラス骨材レモンイエロー)
(ビールストーン 壁面 ガラス骨材レモンイエロー 拡大)
大きさは3分(15mm程度)です。
(ガラス骨材 レモンイエロー)
難易度が高い施工にはなりますが、施工方法を考えれば、このように大きい骨材を使用した壁面のビールストーンを作成することが出来ます。
(ビールストーン 壁面 ガラス骨材レモンイエロー)
この物件では周りの壁面もビールストーンで寒水石の2厘を入れて仕上げていますが、
中央の壁を際立たせるため、壁を10mm程度塗り足して大きい骨材を入れています。
(ビールストーン 壁面 ガラス骨材レモンイエロー)
この材料を使って今までにない研ぎ出し仕上げの壁を見せるのはいかがでしょうか?
あなたのアイデアで今までに見たことがない研ぎ出し仕上げを作ることも出来ますよ。
最後までお読みいただきありがとうございました。
お問合せ先
有限会社原田左官工業所
113-0022 東京都文京区千駄木4-21-1
電話番号:03-3821-4969 FAX番号03-3824-3533
左官のミライ通信「Sakan Concierge(左官案内人)」
発行元:有限会社原田左官工業所・株式会社エイチアール
発行責任者:有限会社原田左官工業所 原田宗亮
HomePage:http://www.haradasakan.co.jp/
メールアドレス:sakan@haradasakan.co.jp