耳にも心地よい空間を BASWA(バスワ) スイスの吸音左官仕上げ

耳にも心地よい空間を BASWA(バスワ) スイスの吸音左官仕上げ

今回は「耳にも心地いい空間作り」に役立つ左官材の紹介です。


左官で「心地よい空間作り」というと調湿性能や手仕事の暖かみなどが、思い浮かびますが、
今回は「音」の話です。

普段、生活していて気になっている音のこと。
外からの騒音は窓などで「遮音」することで防ぐことは出来ますが、
室内の反響音などをコントロールすることはあまり注目されていません。

今回ご紹介する素材は「心地よい空間作り」に対し、実は欠かせない吸音に関する材料です。

BASWA紹介文の入った画像

その材料はスイスの吸音左官天井システムBASWAphon(バスワフォン、バスワとも呼ばれています。)
グラスウールの基材に無機鉱物系多孔質層のアコースティックパネルを左官で仕上げる吸音パネルシステムです。
左官で仕上げるため、シームレスで質感の高い吸音天井として、
欧米をはじめ世界中の音響設計者に高い評価を受けている材料です。

現代の建築空間はコンクリートやガラス、石、または金属など固い素材で構成されることがほとんどです。
仕上げ材にしても化粧パネル、プラスチックタイル、塩ビシート等、
音が反響してしまう素材で空間を覆うことが多くなっています。

その空間にいる人たちは実に様々な音に囲まれて活動しています。
空調音や、機械音などの環境から発生する音
床からの足音や電話、他の人たちの話声など人間が活動することで発生する音
その他外部からの音 などなど
多種多様な音に囲まれて、時にはそれが雑音になります。

普段生活している中でも、耳障りで居心地の悪い空間というのは意識の上で、
または無意識のうちに雑音・騒音が反響され増幅され、
知らず知らずのうちにストレスが溜まっていき、過ごしにくさを感じるそうです。
また、音の反響がありすぎると聞き取りにくいということもあります。
室内プールや体育館は音が反響しすぎて聞き取りにくいですよね。
響きすぎることで重なりすぎてしまい、本来聞きたい音が聞こえなくなってしまいます。

一方、居心地の良い空間、優れた設計のされた図書館やラグジュアリーホテルなどは、
必ずと言っていいほど、音響設計がなされています。
吹き抜けを作ったり、広い空間を作り、また吸音効果のある素材を貼ることなどで、
適度に音が吸収・分散されるようデザインされています。
だから長時間いても疲れず、リラックスできるのですね。

また、音が適度に吸収される空間は、
対面の人との会話はしやすく、近くでも他のテーブルの人たちの会話は耳に入りにくく、
耳障りになりにくいという効果もあるそうです。

とは言っても、吹き抜けを作ることや広い空間を作ることは、
限られた内装・商業施設のスペースでは実現できません。
それを改善するため、岩綿吸音板やジプトーンなどを天井に貼りますが、
よく見る昔のオフィスの天井という感じで意匠的に優れたものがありませんでした。

適切な吸音効果を持ち、仕上げ材としても使用できるお勧めの素材が、
今回ご紹介する「BASWA(バスワ)」です。

BASWAアコースティックシステムは、
音響環境を改善する吸音デザインによって音エネルギーを吸収し反響時間をコントロールしてノイズを抑え、
声を聞き取りやすくする快適な環境を作り出す仕上げ材です。
BASWAはグラスウールを基材にした吸音パネルシステムで、最終仕上げを左官で仕上げます。
そのため、ジョイントのないシームレスな美しい吸音面を作ることが出来るのが特徴です。

断面はこのようになります。
BASWA施工断面

仕上がり面はこちら
BASWA仕上がり面
中央の白の部分がBASWAベース白の仕上がり
(仕上がりのグレードによってはよりフラットな面状もあります。)

このBASWAは欧米では音響設計の専門家や建築家にはよく知られており、
国内でも海外物件の設計に携わる方はご存知の方も多いようです。 
性能について詳細は日本代理店の株式会社ビベル様のページをご覧ください。

株式会社ビベル:BASWA 取り扱いを始めます。
http://www.bevel.co.jp/2016/11/15/draft/

今回、日本でこの材料を広めていくにあたり、
お声がけいただき、スイスのBASWA社へ行き、施工研修を受講しました。

スイスBASWA社。BASWA見本など
スイスのBASWA社

スイスのインストラクターによるBASWA研修
スイス人インストラクターによる研修

BASWA研修の模様
研修の模様

施工の面だけでなく、なぜ世界各地でこのBASWAが選ばれているかということも学んできました。

BASWAの吸音効果グラフデータ

吸音データなども情報をオープンに出せるのですが、
心地よい吸音の効果というのはなかなか写真や映像、データだけでは伝わらないものです。

この吸音の効果を体験していただきたいため、
今回、当社1Fのサカンライブラリーの天井に施工しました。

施工手順を説明します。

BASWAアコースティックシステムの基本工程は大きく分けて3工程です。

1.アコースティックパネル(吸音パネル)を貼る

BASWA工程1.アコースティックパネル(吸音パネル)を貼る

BASWA工程1.アコースティックパネル(吸音パネル)を貼る

BASWA工程1.アコースティックパネル(吸音パネル)を貼る

2.ジョイントを専用材で埋める

BASWA工程2.ジョイントを専用材で埋める

3.BASWA仕上げ材を塗る

BASWA工程3.BASWA仕上げ材を塗る

(その他、下地調整やペーパー掛けなどの工程はありますが、大雑把に説明するとこの3工程です。)

BASWAの仕上げ材はベース、ファイン、クラシックの3種類があり、
ベース(骨材粒度0.7mm)、ファイン(骨材粒度0.5mm)、クラシック(最終仕上げ骨材粒度0.3mm)、
それぞれ肌合いが違う仕上げになります。

仕上げ材を塗る工程にこの材料の特徴があります。

なんとこんなに長い鏝を使います。

BASWA仕上げ剤用の鏝

BASWA仕上げ剤用の鏝

この鏝を使い、天井を一気に仕上げることで、美しく肌の揃った揃ったBASWAの表情に仕上げます。


動画:吸音素材左官仕上げBASWAベース仕上げ塗り
両手で一気に鏝を引ききることで鏝波を消していきます。

両手で一気に鏝を引ききることで鏝波を消していきます

両手で一気に鏝を引ききることで鏝波を消していきます

両手で一気に鏝を引ききることで鏝波を消していきます

これでシームレスで吸音機能のある天井の完成!
シームレスで吸音機能のあるBASWA施工の天井

断面が分かるように施工個所と未施工の箇所との見切りは入れていません
断面が分かるように施工個所と未施工の箇所との見切りは入れていません。

配線ダクトとの取り合いはこのような状態で納まっています
配線ダクトとの取り合いはこのような状態で納まっています。

この材料は壁でも施工可能です。
適切に吸音性のある左官仕上げの壁を作ることが出来ます。

当社のサカンライブラリーの施工より前に、
日本初施工として群馬の太田市民会館のコンサートホールの天井を施工しています。

BASWA日本初施工の群馬県太田市民会館コンサートホールの天井

日本初施工ということもあり、スイス人インストラクターも来日し、一緒に施工をしました。

施工写真がこちら

BASWA天井施工写真

BASWA天井施工写真

BASWA天井施工写真。全体図

BASWA天井施工写真

いかがでしょう。この仕上がり!


是非、当社のサカンライブラリーで、この心地よい吸音効果を体感してください。
比較できるようにBASWAが施工してあるところ、施工していないところで、手を叩くと、
音の響きの差を感じられ、吸音の効果が体感できますよ。

現在、サカンライブラリーの見学は予約制になっていますので、
ご希望のお客様は
「ショールーム見学希望」
「第1希望日 〇月〇日〇時」
「第2希望日 〇月〇日〇時」
「第3希望日 〇月〇日〇時」
とご記入の上、
下記リンク先のフォームからお問い合わせください。

お仕事に関するお問い合わせページ
https://www.haradasakan.co.jp/contact/works_form.php


最後までお読みいただきありがとうございました。

お問合せ先

有限会社原田左官工業所
113-0022 東京都文京区千駄木4-21-1
電話番号:03-3821-4969 FAX番号03-3824-3533

左官のミライ通信「Sakan Concierge(左官案内人)」

発行元:有限会社原田左官工業所・株式会社エイチアール
発行責任者:有限会社原田左官工業所 原田宗亮
HomePage:http://www.haradasakan.co.jp/
メールアドレス:sakan@haradasakan.co.jp

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