静かなブーム枯山水の写し仕上げ 左官で創ることのメリット
静かなブーム枯山水の写し仕上げ 左官で創ることのメリット
今回のミライ通信は枯山水を写した仕上げのご紹介。
枯山水とは水を使わず石や砂で自然風景や宇宙を表現した日本庭園の様式の一つ。
その景色を見れば誰もが一度は目にしたことがあるはずです。
白系の砂をホウキや熊手などで模様を付けて水の流れなどを表現する枯山水。
それを壁の模様をして写す仕上げが現在静かなブームです。
現在は3Dプリンターや立体の造形で作り出す方法も発達していて、必ずしも左官で仕上げなければ出来ないわけではないですが、今回は左官の立場から、左官で仕上げるメリットも含めて枯山水の写し仕上げについてお伝えします。
枯山水の模様を壁に写した仕上げ。
左官で作ることのメリットはこちらです。
・現場で指示を仰ぎながら作成することが出来る
・表面の肌、仕上がりにこだわることが出来る
まずは1つ目のメリットについてです。
■現場で指示を仰ぎながら作成することが出来る
代表的な施工例をご紹介しながら、そのメリットを解説していきます。
こちらは当社のWEBサイトでも紹介している「新出製パン所富山分家」の施工例。
櫛のエッジを立てた仕上げになっています。
壁に石を貼り付け、より枯山水を写した仕上げになっています。
この石を張った部分は現場でデザイナーの方が全体のバランスを見ながら現地で決めています。
左官の場合手仕事なので、その場での変更やアレンジが可能です。
現場施工の模様をYouTubeでもご覧いただけます。
動画:枯山水のオリジナル模様モルタル壁|特注左官仕上げが出来るまで【有限会社原田左官工業所】
※1:28秒辺りでデザイナーの方が石の位置を決めています。その部分を逃げて枯山水の模様を付けています。
左官工法なのでこのように現場で指示を仰ぎながら作成することが出来ます。
図面ではハマっていたデザインでも、実際の現場で作っていくと違和感がある場合も時にはあります。
左官工法であれば、全体のバランスを見て、ちょっと変えたい、模様の入る位置を変えたいということも出来ます。
それが左官で作ることのメリットです。
こちらの物件は左官のミライ通信バックナンバーでも詳しく紹介しています。
左官のミライ通信:一品物の仕事 特注「枯山水のような左官仕上げ」
https://www.haradasakan.co.jp/magazine/magazine1220/
続いて2つ目のメリットについてです。
■表面の肌、仕上がりにこだわることが出来る。
本物の枯山水は砂に模様を付けたものです。
そのため、ザラっとしているのが通常ですが、枯山水の模様は残し、ツルっとした表情が欲しい、砂の目の表情を変えたい、など要望は多数いただきます。
そのご要望を左官で実現可能です。
例として左官工法の枯山水のバリエーションはサンプルでご紹介します。
まず、これはオーソドックスな砂のサイズの枯山水調。
こちらは粗めの白砂を櫛で引いたタイプ。
ゴツゴツとした印象です。
白砂のサイズを変えたり、混ぜたりすることでこのように表情が変わります。
粗めタイプは下記サンプル紹介のページで別アングルなどをご覧いただけます。
サンプル:枯山水風仕上げページ
そして、こちらは綺麗に円を重ねた模様のサンプル。
ツルっとした表面だと枯山水の風合いからは離れますが、このような仕上げのご要望もあります。
また、枯山水調仕上げで気になるのが模様の重なりの部分。
そのディテールを作るサンプルのご要望も多いです。
例えば、くしの重なりの仕上がりを見るためのサンプル。
他には、厚みがどれくらい付けられるかを確認するためのサンプル
中心には目地棒を入れ厚みをふかしています。
続いて、波紋と直線のラインが重なる部分を表したサンプル。
この波紋と直線のラインが重なる部分を表したサンプルの施工事例を紹介致します。
オフィスの壁面に施工しています。
ゲーム制作会社FUNPLUS様のオフィスエントランス壁面に枯山水の模様を写し、仕上げました。
櫛引部分のエッジは丸みを出し、水面に広がる波紋のような表現になっています。
水面に石を投げて波紋が広がった模様になっています。
これもすべて鏝で塗って作っています。
モルタルで一度下地を取り、その上に白い仕上げ材を塗っています。
この施工の様子はYouTubeでもご覧いただけます。
動画:左官の枯山水写し仕上げ壁|オフィスエントランス【有限会社原田左官工業所】
また、白やグレーの砂で作ることが多いですが、ご要望があれば、黒の砂で枯山水を作ることも出来ます。
黒い砂での試作。
黒い砂での現場施工。
このように枯山水の写しの仕上げといっても実に様々なバリエーションがあります。
模様だけでなく、石の粗さ、砂の色までこだわってあなただけの枯山水仕上げを作ることが出来ます。
オリジナリティを出しやすい左官だからこそ出来る仕上げです。
左官工法の枯山水写し仕上げ。
是非、お店やオフィスのエントランスに是非いかがでしょう?
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お仕事に関するお問い合わせフォーム
https://www.haradasakan.co.jp/contact/works_form.php
この記事を書いた人
有限会社原田左官工業所代表の原田。
二級施工管理技士/左官基幹技能者/タイル検定二級。
(一社)日本左官業組合連合会監事及び青年部の副部長。
左官の講習会やワークショップを企画・開催し、左官の啓蒙活動を行っている。
建設業界のダイバーシティを推進し、女性の左官業界への参加の手助けや新しい人材の採用育成に力を入れている。
著書に「新たなプロの育て方」㈱クロスメディアマーケティング
「世界で一番やさしい左官」㈱エクスナレッジ
お問合せ先
有限会社原田左官工業所
113-0022 東京都文京区千駄木4-21-1
電話番号:03-3821-4969 FAX番号03-3824-3533
左官のミライ通信「Sakan Concierge(左官案内人)」
発行元:有限会社原田左官工業所・株式会社エイチアール
発行責任者:有限会社原田左官工業所 原田宗亮
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