ビビットなテラゾも、金属の仕上げも!次世代のマテリアル ジェスモナイト(Jesmonite)
ビビットなテラゾも、金属の仕上げも!次世代のマテリアル ジェスモナイト(Jesmonite)
今回は新しいマテリアル ジェスモナイト(Jesmonite)についてです。
- 1. ジェスモナイト(Jesmonite)とは
- 2. ジェスモナイト(Jesmonite)の特徴
- 3. ジェスモナイト(Jesmonite)の使用例
- 4. ジェスモナイト(Jesmonite)これからの可能性
1.ジェスモナイト(Jesmonite)とは
ジェスモナイト(Jesmonite)とはイギリスで開発された水性造形素材。
反応性のミネラルベースと水性アクリル樹脂で構成された新しいマテリアルです。
ジェスモナイトは樹脂ですが、油性の樹脂とは異なり、プラスチック特有のテカリがほとんどなく、石のような質感とも言われます。
そのため、彫刻やディスプレイ、アートの素材などに使用されています。
2.ジェスモナイト(Jesmonite)の特徴は3つ。
- 1 人体・環境にやさしい
- 2 色・質感が幅広い
- 3 イギリスでの不燃認定取得済み
VOC/有機溶剤フリーで幅広い表現が出来ます。
イギリスやヨーロッパでは人体・環境に対しての影響に敏感で、出来るだけ負荷がかからないようにとFRPの代用として開発された材料です。
そのため、FRPの代用として映画のセットなどで使われることが多いようです。
3.ジェスモナイト(Jesmonite)の使用例
流動性があり、レベリング機能がある種類の材料が多く使われていることもあり、型に入れて流し込んでパーツを作ることが多いです。
かなり細かい模様まで転写できるのもジェスモナイト(Jesmonite)の特徴です。
また、カラーチップのフレークを事前に作成し、埋め込むことでテラゾのような柄を作ることが出来ます。
この仕上がりがジェスモナイトの特徴の一つ。
カラーのフレークにより、天然骨材ではありえないカラフルなテラゾ柄を作ることが出来ます。
テラゾ柄のジェスモナイト作成方法
①まず色を付けたジェスモナイトを薄く塗り広げます。
②乾燥後、フレーク状に割っていきます。
割った形状や大きさがそのままテラゾの柄になります。
カラーフレークの色は調色可能で、濃い色のフレークを作ることも出来ます。
- ③ジェスモナイトの主材を流し込み、研磨することでテラゾ柄のジェスモナイトの完成です。
4.ジェスモナイト(Jesmonite)これからの可能性
どちらかというと今までは造形、美術で使われることが主でしたが、家具等に使用されることも多くなっています。
当社でもジェスモナイトでの天板製作に協力させていただきました。
ジェスモナイトの製作・販売をしているシィアンドビィ株式会社よりご依頼を頂き、初芝立命館中学校・高等学校のエントランスホールの天板製作に参加いたしました。
先ほどの写真のジェスモナイトのカラーフレークを主材に混ぜ、天板を作りました。
このような下地にカラーフレークを混ぜた主材を流し込みます。
乾燥後、研磨をして仕上げ。
天然石のテラゾでは表現できないカラフルなテラゾ柄になりました。
初芝立命館中学校・高等学校様へ納品された写真がこちら。
製作・施工の模様はシィアンドビィ株式会社様のブログでもご覧いただけます。
https://jesmonite.jp/workshop/hatsushiba-jesmonite-terrazzo/
ジェスモナイト(Jesmonite)は木材や葉っぱなど自然物との相性も良いです。
(葉っぱ・木の実とジェスモナイトを使用したジェスモナイトサンプル)
流木のような木片を入れて印象的なテーブルを作ることも多くなっています。
木の色と量を変えるとこのように変わります。
自然物とは真逆の見せ方として、ジェスモナイトは金属の粉を混ぜて仕上げることも出来ます。
こちらは銅を混ぜて磨いた仕上げ。
混ぜた金属の肌を表面に作り出すことが出来ます。
現状は天板での使用が多いジェスモナイトですが、立ち上がり、壁面に塗ることが出来る種類の材料もあるので、これから建築の用途で使用されることが増えてくる機運があります。
アートにも家具にもインテリアパネルにも、幅広い用途が期待されるジェスモナイト(Jesmonite)。
あなたのアイデアで今までにない意匠を作ってみてはいかがでしょうか?
お問い合わせはこちらから
■お仕事に関するお問い合わせフォーム
施主:初芝立命館中学校・高等学校
設計:nLDK一級建築士事務所
全体施工:株式会社ロウエ
ジェスモナイト天板制作:有限会社原田左官工業所
試作・フレーク制作、ワークショップ設計:シィアンドビィ株式会社
写真提供一部:シィアンドビィ株式会社
この記事を書いた人
有限会社原田左官工業所代表の原田。
二級施工管理技士/左官基幹技能者/タイル検定二級。
(一社)日本左官業組合連合会監事及び青年部の副部長。
左官の講習会やワークショップを企画・開催し、左官の啓蒙活動を行っている。
建設業界のダイバーシティを推進し、女性の左官業界への参加の手助けや新しい人材の採用育成に力を入れている。
著書に「新たなプロの育て方」㈱クロスメディアマーケティング
「世界で一番やさしい左官」㈱エクスナレッジ
お問合せ先
有限会社原田左官工業所
113-0022 東京都文京区千駄木4-21-1
電話番号:03-3821-4969 FAX番号03-3824-3533
左官のミライ通信「Sakan Concierge(左官案内人)」
発行元:有限会社原田左官工業所・株式会社エイチアール
発行責任者:有限会社原田左官工業所 原田宗亮
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メールアドレス:sakan@haradasakan.co.jp