象嵌・ビールストーン・オルトレマテリア 2019年の原田左官の取り組みを振り返る。
象嵌・ビールストーン・オルトレマテリア 2019年の原田左官の取り組みを振り返る。
今年も1年間、原田左官のメールマガジンをお読みいただきましてありがとうございました。
今回は年末号です。当社の一年間の様々な現場の一部をご紹介したいと思います。
左官に象嵌仕上げ! 埋め込み仕上げ!
まずは木片を散りばめて特殊モルタル(モラート)を仕上げたお店。
このように薄い木片を貼り、
モルタルをツラにして仕上げます。
現場で壁に木片を貼った状態がこちら
それをモルタルで中塗りします。
見本と照らし合わせながら仕上げ材を塗ります。
仕上がりがこちら。
仕上げ材はモラート【MORART】というアーティスティックモルタルを使用しています。
モルタルの壁の中にところどころ木片が埋め込まれたような仕上がりです。
店舗情報:東京都文京区西片 DRYDES
ビールストーンに象嵌仕上げ
それからビールストーンに人工大理石を象嵌した仕上げ。
人工大理石をハート型や星にカットしたものをビールストーンに埋め込み、仕上げました。
ソフトクリームのお店なので、ソフトクリームの象嵌もしました。
店舗情報:シルクレーム 阪急三番街店
ビールストーンの様々なバリエーション
ビールストーンと言えば様々な骨材を埋め込み、研ぎ出しで仕上げるというバリエーション豊かな仕上げ材です。
今年もいろいろな現場で施工しました。
例えば、ホテルのカウンター。
カフェのカウンター。
飲食店のテーブル。
これはカラフルなガラス骨材が入っています。
テラクリスタというゴールドコーティングのガラス骨材も新しく使用を始めました。
これがテラクリスタを入れたキッチンカウンターです。
店舗情報:小田原 mecimo
テラクリスタは当社のサカンライブラリーにも使用しています。
(ビールストーン サカンライブラリーカウンター テラクリスタ入り)
カウンター、テーブルだけでなく、壁面にも施工しました。
住宅展示場の壁面です。
これはミラーの入った仕上げです。
物件情報:トヨタホームさいたま新都心展示場
什器や家具に施工する例も多かったです。
こちらは円柱の什器。
他にもこんな形状の什器も作りました。
塗り込んで仕上げられるビールストーンだからこそ出来る形状です。
また、昔は硬くて研げなかった玉石を研ぐという施工方法も確立できました。
これは黒玉石の研ぎ出しテーブルです。
また、そこから応用して、「大きめの玉石を研ぐ」という施工もしました。
それがこの台湾の洗い出しネットストーンを使用したビールストーンの研ぎ出しです。
3分のサイズの石を研ぎ出ししています。
洗い出しネットストーン研ぎ出し。
オルトレマテリア流行の兆し
イタリアの左官材オルトレマテリア(OLTREMATERIA®)も日本で広まってきました。
床用に開発された強靭な左官仕上げ材「オルトレマテリア(OLTREMATERIA®)」。
もちろん壁面にも施工できますが、当社では現在、キッチン、カウンター、什器、家具に施工する例が増えています。
このような木工下地の什器が、
オルトレマテリアを施すことで、高級感が出せます。
ゴールドのトップコートで仕上げました。
オルトレマテリアは鏝などで塗って仕上げる材料のため、
多角形、複雑な形状にも施工可能です。
また、オルトレマテリアは食品衛生管理基準のHACCPに対応している仕上げ材です。
HACCP(ハサップ)とはアメリカで作られた食品衛生管理の基準で、
日本でも改正食品衛生法によって2020年からHACCPによる衛生管理が全ての食品関連事業者に義務付けられることが決定しました。
HACCPについて詳しくは下記のサイトをご覧ください。
https://activation-service.jp/iso/column/type-haccp/693
HACCPに対応している仕上げ材のため、直接食品が触れる場所にも安心して使用することが出来ます。
店舗情報:日本橋高島屋 巌邑堂
下地もこのようにステンレスの上に直接施工することが出来ます。
物件情報:タニコーMEISDEL キッチンギャラリー
発色も良いため、こんなに濃い赤色にもできます。
また、仕上げも単色だけでなく、骨材を入れて変化を持たせることも出来ます。
これは電球を砕いたガラスを入れた仕上げ。
(オルトレマテリア リサイクルガラスシリーズ キッチンシンク)
こんな紙をクシャっとさせたようなテクスチュアも付けることが出来ます。
他にもこんな葉っぱを入れた仕上げや
大胆な模様の仕上げ。
レース柄を入れた仕上げなど、
単色フラットな仕上げからアート系なものまで様々なテーブル・キッチンを仕上げることが出来ます。
その上、HACCP対応なので、食品を扱うお店・キッチンの使用には最適な仕上げ材です。
一年間を通して、様々な現場に携わらせていただきました。
いろいろな仕事ができ、お客様に感謝です。
最近感じていることですが、これらの現場、共通していえることは
「厚みを付けて塗って仕上げる」という左官本来の良さを再認識されていると実感しています。
厚みを付けられるのでその中に何かを「埋め込む」ことができ、
厚みを付けられるので「埋め込んだものを研磨する」ことで模様を出すことが出来ます。
全て左官の厚塗りの成せる仕上げです。
左官の厚塗りの面白さが世の中に広まっている感じがありますね。
これからも左官の「厚みを付けて塗る」という面白さを伝えていきたいと思っています。
今後ともよろしくお願いします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
お問合せ先
有限会社原田左官工業所
113-0022 東京都文京区千駄木4-21-1
電話番号:03-3821-4969 FAX番号03-3824-3533
左官のミライ通信「Sakan Concierge(左官案内人)」
発行元:有限会社原田左官工業所・株式会社エイチアール
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