パターン漆喰について
パターン漆喰について
パターン漆喰について (奥村佳久)
今回は平滑ではなくコテで模様を付けられたパターン仕上げのお話です。
店舗左官が主な原田左官ですが、最近住宅系の左官仕上げが増えています。
住宅系と言っても様々ですが、仕上げの左官仕事が非常に増えています。
仕上げの左官仕事の多くは天然素材による左官仕上げです。
天然素材の多くは大まかに言いますと以下の素材が代表的な素材です。
1.珪藻土
2.京壁(土壁)
3.シラス
3.漆喰
珪藻土は近年の天然素材ブームの牽引役です。
調湿性、嫌な臭いを低減する等、我々が生活する上でとてもいい役割をしてくれる壁材です。
京壁は和室を代表とした仕上げ、
シラス壁は火山灰をベースにしたこちらも珪藻土と同じような性能を持ち合わせています。
最後の漆喰ですが、
漆喰は石灰をベースとした左官材料で珪藻土ほどではありませんが、
調湿性や嫌な臭いを低減するような性能を持っています。
さて、その漆喰ですが皆さんは漆喰の壁と言ったらどのような壁を想像しますか?
多くの人は「お城の外壁みたいな白いまっ平らな壁でしょう?」と答えます。
おっしゃる通りです。その壁が漆喰でした。
今もその仕上げげをしっかりと塗れるように日々職人が鍛錬しています。
しかしその漆喰仕上げですが、最近はパターン仕上げのほうが比率が多かったりします。
理由は単純です。
以前、お客様になぜパターン仕上げにしたいか聞いたことがあるのですが、
多くの人は
「パターンをつけたほうが塗り壁としての個性が出るから」
「高い金を出して塗装と見た目が変わらないのならパターンをつけたほうがいい」
と言う人が多いのです。
ちょっと乱暴ではありますがそのとおりだと思います。左官仕上げは職人が手作業でパターンをつけるので同じ仕上げは無いオンリーワンの壁となります。
左官屋としてパターン仕上げがいいと言う事情もあります。
左官仕上げは下地の具合に大きく影響を受けます。
リフォーム時に現状がクロスでその上に左官仕上げとなると、
クロス仕上げ時には気づかなかった下地の不陸が左官仕上げで顕著に現れてしまうことが多いです。
もちろん、その不陸を調整する費用・工期がもらえればいいのですが、
なかなかそうはいかない場合が多く、平滑な仕上げでは予算が合わなくなることが多いです。
パターン仕上げだと多少の不陸ならパターンで目立ちにくくなることが多いです。
このように、パターン仕上げはお客様のニーズ、施工店、元請さんのニーズに合っているので、
増えてくるのも納得かなと思っています。
左官材料として漆喰のニーズが増えている理由は、
日本の風土にはやはり漆喰が合っているのではないかと思います。
日本の気候は梅雨もあるように高温多湿です。
また、近年の住宅の造りは高気密、高断熱で湿気がこもりやすい。
そのような環境だとカビの発生が問題になります。
珪藻土にはカビを防ぐとよく言われますが、それは一部誤りでもあります。
珪藻土はカビの原因である湿気を吸着する性能はありますが、
それら湿気を放出させてあげないと常にジトジトした状態になりかえってカビの発生を誘発しますので、
たまに換気をしてその湿気を逃がしてあげなければいけません。
漆喰はその点、材料自体が強アルカリ性でカビを防ぐ性能を持ち合わせています。
(昔から押入れの中に漆喰を施工していたのはこのような理由があったからだと思います)
もちろん、漆喰にも、表面が汚れればそこにカビが生えることもあるように限度があるので注意は必要です。
近年、日本で昔から使われている漆喰だけではなく、
海外で生まれた漆喰やタイプの違う漆喰も出てきています。
漆喰は昔からの左官材料ですが、時代のニーズに合わせて進化しています。
弊社でもオリジナル漆喰としてフルーフレをラインナップしており、
多くのパターンに対応し、色も顔料だけではなく様々な色土、そして様々な大きさの骨材、
そしてワラを混ぜる事も可能です。
フルーフレ サブロン スパニッシュ仕上げ
フルーフレ ピュール アートランダム仕上げ
フルーフレ 天然土(京聚楽土)・ワラ入り仕上げ
フルーフレ ピュール セミフラット仕上げ
是非、その魅力を再び感じていただければと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。
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