第32回
技能グランプリ
タイル貼り部門金賞
根来 郁三さん
INTERVIEW
令和6年2月に開催された「第32回 技能グランプリ」。
「タイル張り」部門において、原田左官工業所のタイル職人である根来郁三さんが、初出場ながらみごと金賞を受賞しました!
今回は受賞された根来さんに受賞の思いやタイル職人としてのお仕事、今後の目標などをお聞きしました。
厚生労働省人材開発統括官所管の特別民間法人「中央職業能力開発協会」が主催している様々な業界・分野における技術力を競い合う大会です。
昭和56年に第1回大会が開催され、平成14年度の第22回大会から隔年で実施されています。
2020年のコロナ感染拡大に伴い、32回大会は3年ぶりの開催となりました。
なお、「タイル張り」については実に5年ぶりの開催となりました。
正直、金賞が取れてホッとしましたね。
今回の出場に向けて会社から練習時間を確保いただいたり、大会に向けて材料を用意してくれたりと、たくさんの援助をしていただいたので受賞できて本当に良かったです。
そうですね。原田左官としては初めての出場であり、会社を代表していることもあって、緊張感はすごくありましたね。
会社からは東京代表という部分でも期待されていたので。(今回は福岡県での開催)
競技内容のタイルの張り方が今は普段行わない工法(積み上げ張り:通称ダンゴ張り)だったため少し苦労しましたが、練習をしっかり行って臨むことができたかなと思います。
表彰式のあと、ようやくご飯が美味しく食べれました笑
あらかじめ決められた仕様、図面に沿って下地から仕上げまでを1日半かけて行います。
審査項目は、寸法精度 、作業手順、仕様誤りの3項目で、作業時間や創意工夫、総体のできばえ(仕上り・美観)などで評価されます。
今回は全国から8名がエントリーされていました。
皆さんベテランの職人ばかりですね。
やはり両親や親戚が喜んでくれましたね。
父親もタイル職人だったので、父親が喜んでくれたのは嬉しかったです。
仕事においては特に変化はまだそこまでないですが、ありがたいことにテレビから取材が来ましたね!
職人らしく言葉数は少ないのですが、技能グランプリに対しては相当な覚悟を持ってチャレンジされたことがひしひしと伝わりました。
そんな根来さんにタイル職人になったきっかけや、仕事をする上で大事にしていることなどをお聞きしました。
もともと父親がタイル職人として働いており、職人の家系だったことから、学生時代からタイルの手伝いはしていました。そのまま高校を卒業した18歳から職人として働き始めました。
祖父は左官職人で、父親の兄弟もタイル職人だったことから、タイル職人を目指すのは必然でしたね。
父親の知人がたまたま原田左官と接点があり、ご縁あって2012年6月に入社しました。
入社してからはこれまでと同じくタイルがメインでしたが、左官もやるようになりました。
チームで仕事をするという点では入社前と大きく変わりはないですが、原田左官に入社してからはより大きな案件、有名な案件に関わることが増えましたね。
タイル一枚一枚を大事に、一番きれいに見える仕上げを目指して仕事をすることを意識しています。
また、タイルの表面を綺麗に仕上げるだけでなく、いかにそれが長く持つようにできるかを大事にしています。極端な話ですが、100年持つくらいの耐久性を意識しています。
当然その分手間と時間は掛かるのですが、そこは仕事をするうえで大事にしていますね。
そのため作業を効率よく進めることが重要になります。
職人は作業前に現場に行けない場合もあるので、そうした現場においても、最も効率よく作業を進められるよう、チームメンバーとのコミュニケーションを大事にしていますね。
やはりお客様が見て喜んでくれると嬉しいですね。
「きれい」って言ってもらえるとテンションが上がります。
原田左官ではありがたいことに、有名な高級店や最新の商業施設、アミューズメント施設など、様々な現場を手掛けることも多く、自分の施工したものが多くの人の目につくのは嬉しいですね。
またチャレンジングな現場を任されることもあるので、そういう現場ならではの楽しさもあります。
同じことを何度も繰り返す作業があったり、材料が重くて腰が痛くなるなどありますが、実は大変だと思うことはないです。
仕事は楽しいですよ笑
マラソンと同じでランナーズハイみたいな感じで、どんどん楽しくなってきます。
もちろん孤独な現場で厳しい状況のときもありますけど、楽しいって思いながら仕事していると、だんだん楽しくなってきます。
本当にタイル職人としての仕事に誇りを持っていること、大好きな仕事であることが伝わりました。楽しんでいるからこそ人間的にも技術的にも成長されるのだと感じました。最後に今後の目標をお聞きしました。
まだまだ一人の職人として技術を高めていきたいと思っていますが、指導者として後任の育成、業界への恩返しもしていきたいです。
4月から新人の育成も担当しますので、技術を後輩に伝えていければと考えています。
タイル職人に向いているのは、性格では細かいことが好きな人。コツコツ作ることが好きな人。そういった人が向いていますね。
タイルごとの組み合わせを計算する場合もあるので、算数もできると良いですね。
あとは体力でしょうか。
タイル職人になりたい人は減っていると聞きます。多いときは10万人ほどタイル職人がいたそうですが、今は2万人ほどとも言われています。
時代の流れとともにタイル職人に求められるものも変わりつつあります。現代のタイル仕事はインテリア、デザインとしての要望が高くなっています。だからこそ有名なお店や商業施設などのお仕事を請け負うことも多く、納めた仕事現場は多くの人に見てもらえる言わば作品のようです。
そういった仕事を一緒にできる職人さんがもっと増えると良いですね。
もしタイル職人を目指したい人は原田左官までお問い合わせください。
今も10名のタイル職人、見習さんが当社で活躍しています。